本研究は時間分解和周波発生分光法を用いて単結晶表面に吸着した分子のピコ秒領域でのエネルギー移動や構造変化のダイナミクスを明らかにするものである。特に水(氷)/金属界面における現象を中心に研究を進めた。2ピコ秒のパルス幅の和周波発生装置を用いることによってレーザー照射を受けた金属から氷にエネルギーが移動する際、100ピコ秒程度の時間の間は氷結晶の振動が熱平衡に達してなく振動モードによって温度差をもつことを明らかにした。また、研究対象を金属単結晶から、その表面に形成した酸化物薄膜にも広げ、光触媒として知られる二酸化チタン薄膜の表面での分子の過渡変化も明らかにした。
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