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2007 年度 実績報告書

マイクロ波分光法による生体関連分子ミクロ水和クラスターの構造と内部運動の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18550012
研究機関金沢大学

研究代表者

藤竹 正晴  金沢大学, 自然科学研究科, 准教授 (40212188)

キーワード分子分光学 / 分子構造 / マイクロ波分光 / 生体関連分子 / 水素結合錯体 / 分子内大振幅振動
研究概要

ペプチド分子ミクロ水和クラスターである,N,N-ジメチルアセトアミド-水錯体の純回転スペクトルの解析をさらに進め,水分子が配位することによりN,N-ジメチルアセトアミドの3つのメチル基全てで内部回転障壁が低くなるということを実験的に明らかにした。このことは,ペプチド鎖からなるタンパク質の高次構造形成において,水分子が糊の役割だけではなくペプチド鎖の柔軟さを助長していることを意味している。また,やはり生体分子のモデルとされる乳酸メチルの水錯体の観測を行い,3種類の1:1錯体の帰属と解析を行った。乳酸メチルの構造は,ねじれに対しする柔軟性を持っているが,分子内水素結合を形成することで安定化する。観測した錯体のうち,二つは,その分子内水素結合の間に入り込んで環状の水素結合ネットワークを形成し,乳酸メチル自体の構造を大きく変化させるものであった。この二つの挿入型錯体は,乳酸メチルが分子キラリティを持つために生じる異性体であり,分子キラル認識のメカニズムの理解につながる。残りの一つは乳酸メチルの分子内水素結合を保持したまま水分子が単純に付加するタイプであることがわかった。観測された各錯体の強度比と量子化学計算によるエネルギーの考察により,挿入型錯体の形成には,活性化エネルギーが必要であることがわかった。更に本研究で目指す重要な生体関連分子のひとつである,アミノ酸類のミクロ水和クラスターのスペクトル観測を可能にするために必要とされる,新たなタイプのノズルを開発するための予備実験を行った。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (7件)

  • [学会発表] 付加型乳酸メチル-水錯体の分子内大振幅振動についての考察2007

    • 著者名/発表者名
      藤竹 正晴
    • 学会等名
      日本物理学会北陸支部定例学術講演会
    • 発表場所
      富山県立大学
    • 年月日
      2007-12-01
  • [学会発表] 付加型乳酸メチル-水錯体の分子構造の研究2007

    • 著者名/発表者名
      藤竹 正晴
    • 学会等名
      日本物理学会北陸支部定例学術講演会
    • 発表場所
      富山県立大学
    • 年月日
      2007-12-01
  • [学会発表] 乳酸メチル-D^2O錯体のフーリエ変換マイクロ波分光2007

    • 著者名/発表者名
      藤竹 正晴
    • 学会等名
      日本物理学会北陸支部定例学術講演会
    • 発表場所
      富山県立大学
    • 年月日
      2007-12-01
  • [学会発表] N-tert-butylformamide-formamide錯体の純回転スペクトルの解析2007

    • 著者名/発表者名
      藤竹 正晴
    • 学会等名
      日本物理学会北陸支部定例学術講演会
    • 発表場所
      富山県立大学
    • 年月日
      2007-12-01
  • [学会発表] 乳酸メチル-水錯体のフーリエ変換マイクロ波分光2007

    • 著者名/発表者名
      藤竹 正晴
    • 学会等名
      分子科学討論会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2007-09-19
  • [学会発表] N-tert-butylformamide-methanol錯体のフーリエ変換マイクロ波分光2007

    • 著者名/発表者名
      藤竹 正晴
    • 学会等名
      分子分光研究会
    • 発表場所
      東京理科大学森戸記念館
    • 年月日
      2007-05-26
  • [学会発表] N,N-ジメチルアセトアミド-水錯体のフーリエ変換マイクロ波分光2007

    • 著者名/発表者名
      藤竹 正晴
    • 学会等名
      分子分光研究会
    • 発表場所
      東京理科大学森戸記念館
    • 年月日
      2007-05-26

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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