研究概要 |
本研究においては次のプロジェクトを遂行した。 1. [2+2+2]反応機構に関する協奏反応と段階反応。 アセチレン三量体による協奏付加反応機構と段階付加反応機構についてその反応経路およびエネルギーについて検討し、実験結果を説明した。また、アセチレン三量体のカチオン系の反応についてもその反応機構を検討した。その結果から中性の場合と比較し実験結果との見事な一致を見いだした。また、これらの一般規則性に関しても検討を行った。金属触媒が関与する反応機構についても検討を行った。 2. 金属-エン反応機構に関する理論的研究。 昨年度行なったリチウム原子に対するエン反応が協奏であることが明らかになっており、本年度はリチウム原子が単体では存在しないことを踏まえリチウム原子クラスター中でのエン反応について検討した。その結果、非常に興味ある結果が得られた。 3. 1,3-双局子反応機構に対する理論的研究。 1,3-双極子反応機構について双局子の電子状態と反応性について検討した。 4. 水溶媒におけるその挙動に関する理論的研究。 水クラスターの挙動について動力学に検討し、「クラスター中のクラスター」という概念で分類できることが明らかになった。
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