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2006 年度 実績報告書

新規内包フラーレンの人工合成による物性開発

研究課題

研究課題/領域番号 18550033
研究種目

基盤研究(C)

研究機関福井工業大学

研究代表者

小松 紘一  福井工業大学, 工学部, 教授 (70026243)

研究分担者 村田 靖次郎  京都大学, 化学研究所, 准教授 (40314273)
キーワード水素内包フラーレン / 分子手術法 / アルカリ金属 / ドーピング / 超伝導 / スピン-格子緩和 / 一重項酸素 / レーザー照射
研究概要

我々は、新世代の炭素ナノマテリアルの重要な基幹材料として不可欠のフラーレン、とりわけ従来の製造法では微少量しか得られない内包フラーレンを効率的に人工合成する技術を確立したが、本研究では特に水素および重水素内包フラーレンについて新素材としての物性開発を目指して研究を行ない、下記の結果を得た。
1、内句フラーレンH_2@C_<60>の合成
我々が先に見出した分子手術法を用いる有機合成手法により、水素分子を内包したフラーレンH_2@C_<60>の合成を行なった。
2、H_2@C_<60>のアルカリ金属ドーピングによる超伝導発現
東北大学との共同研究によって、H_2@C_<60>を金属カリウムでドーピングしてK3・H2@C_<60>を合成した。これの比熱測定を行ない、また超伝導転移温度を求めたところ、Tc=19.2Kという値が得られ、これは中空のC_<60>を用いて測定した値と変わらないことが明らかとなった。
3、水素および内句水素分子のスピン-格子緩和
各種溶媒中でのフリーの水素分子とフラーレンに内包された水素分子のスピン-格子緩和時間に対する溶媒、温度の影響を検討した。
4、一重項酸素の水素および重水素によるクエンチ
フラーレンに内包された水素分子および重水素分子ならびにフリーの水素分子の、励起一重項酸素に対するクエンチ効果をフラーレン骨格をレーザー励起することにより検討した結果、フラーレン骨格の存在が大きなクエンチング効果をもたらすことが明らかとなった。なお、上記項目3および4は、コロンビア大学との共同研究として行なった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Fine Tuning of the Orifice Size of an Open-Cage Fullerene by Placing Selenium in the Rim : Insertion/Release of Molecular Hydrogen2007

    • 著者名/発表者名
      S-C.Chuang
    • 雑誌名

      Chemical Communications 2007

      ページ: 1278

  • [雑誌論文] Epitaxial Supramolecular Assembly of Fullerenes Formed by Using Coronene Template on Au(111) Surface in Solution2007

    • 著者名/発表者名
      S.Yoshimoto
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society 129(印刷中)

  • [雑誌論文] Photoinduced Charge Separation and Charge Recombination in Terthiophene-Acetylene-Fullerene Linked Dyads2006

    • 著者名/発表者名
      T.Nakamura
    • 雑誌名

      Journal of Photochemistry & Photobiology A : Chem. 178

      ページ: 242

  • [雑誌論文] Cryogenic NMR Spectroscopy of Endohedral Hydrogen-Fullerene Complexes2006

    • 著者名/発表者名
      M.Carravetta
    • 雑誌名

      Journal of Chemical Physics 124

      ページ: 104507

  • [雑誌論文] Synthesis and Properties of Endohedral C60 Encapsulating Molecular Hydrogen2006

    • 著者名/発表者名
      M.Murata
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society 128

      ページ: 8024

  • [雑誌論文] Nuclear Relaxation of H2 and H2@C60 in Organic Solvents2006

    • 著者名/発表者名
      E.Sartori
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society 128

      ページ: 14752

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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