本年度はジカチオン性(BINAP)Pd触媒からジカチオン性(BINAP)Pt触媒へ研究を展開させた。はじめPdの場合のように反応溶媒中で(BINAP)PtCl_2とAgSbF_6から活性種をモレキュラーシーブス3A共存下で発生させて不斉アルドール反応を行った。しかしこの条件では化学収率不斉収率に再現性がやや問題となったので、あらかじめジカチオン性P4錯体を作り、それを用いる手法を開発することができた。Pdが求核剤としてシリルエノールエーテルに対して有効であるのに比較して、Ptの場合はシリルケテンアセタールが有効であることが判った。出発錯体として(μ-Hydroxo)(BINAP)Pt 2核錯体をDMF中1%の触媒量で85%収率でかつ85%以上の不斉収率でアルドール付加体を得ることに成功した。
|