研究課題
これまでに、層状化合物として、化学合成サポナイト(商品名スメクトンSA)について検討を行なってきた。本研究では、異なる分子内電荷環境を有する三種のポルフィリン類をゲスト色素として、その複合化挙動について検討を行った。分子内にカチオンを4個有するもの、8個有するもの、カチオンを2個、アニオンを2個有するもの、計三種について検討した。ポルフィリンの種類を変えることで、複合体中でのポルフィリン分子間距離を制御し、かつ、その光化学的性質を改変できることが明らかとなった。具体的には、それぞれの複合体の蛍光挙動を詳細に観察した。その結果、分子間距離の小さいポルフィリンでは、蛍光の自己消光が確認されるのに対して、分子間距離が大きいポルフィリンでは、驚くべきことに全く自己消光が起きなかった。このような高密度な色素存在状態で自己消光を起こさない現象はまれであり、新規な光化学機能材料を開発する際に大いに貢献する学理を見出したと考えている。
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Journal of Materials Chemistry (2008), 18(39), 4641-4645. 18
ページ: 4641-4645
粘土科学 47
ページ: 16-18