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2006 年度 実績報告書

キラリティー制御された光学活性フェロセン配位子の合成と不斉触媒反応への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18550046
研究種目

基盤研究(C)

研究機関中央大学

研究代表者

福澤 信一  中央大学, 理工学部, 教授 (50173331)

研究分担者 菊池 哲  中央大学, 理工学部, 助手 (60407872)
キーワードフェロセン / キラリティー / 面性不斉 / サマリウム / ピナコールカップリング / 不斉合成 / 錯体触媒 / ルイス酸
研究概要

二価のサマリウム錯体を用いて,オルト-置換ホルミルフェロセンのピナコールカップリング反応の立体化学に関して研究を行った。オルト-置換基としては,配位性の強い,スルポキシド,ホスフィンオキシド,ピリジン,アミノ基および比較的配位性の強くないホスフィン,オキサゾリン基を持つ化合物について検討を行った。反応を理解しやすくするために,用いたオルト置換ホルミルフェロセンの面性不斉はすべて,Spとして考える。二価のサマリウム錯体として,調製が容易でで取り扱いやすいヨウ化サマリウム(II)とサマリウムトリフラート(II)を用い,比較検討を行った。オキサゾリン,ホスフィン置換ホルミルフェロセンのピナコールカップリングは,ヨウ化サマリウム(II)を用いたときは,立体選択性が全く観られず,アルコール炭素の立体化学が(R,R),(S,S),(R,S)の統計的な混合物となった。一方,サマリウムトリフラート(II)を用いたときは,高立体選択的に反応が進行し,(R,R)ピナコールが選択性良く生成した。スルポキシド,ホスフィンオキシド置換ホルミルフェロセンとの反応では,サマリウムトリフラート(II)を用いたときに立体選択性良く反応が進行したが,アルコール炭素の立体化学は(S,S)が主生成物となった。これは,置換基の酸素原子がサマリウムに配位をし,キレーション中間体を経て反応が進行したためと考えられる。ピリジン,アミノ置換ホルミルフェロセンとの反応では,ヨウ化サマリウム(II)とサマリウムトリフラート(II)のどちらを用いても,選択性はほとんど観られなかった。これら置換基は,サマリウム原子に対して中程度の配位性のため,キレーション構造と非キレーション構造の両方が中間に存在しているためと考えられる。生成した,フェロセニルピナコールをルイス酸触媒の配位子として用いて,各種不斉合成反応へと応用した。イッテルビウム錯体を用いた不斉ディールズ-アルダー反応が高いエナンチオ選択性で進行した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006 その他

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Unexpected 1,5-Dilithiation of Chiral o-TMS Blocked (Dimethylamino)phenylmethylferrocene; An Alternative Approach to Chiral Ferrocenyl 1,5-Diphosphanes2007

    • 著者名/発表者名
      Shin-ichi Fukuzawa, Daisuke Tanihara, Satoshi Kikuchi
    • 雑誌名

      The Journal of Organic Chemistry 72

      ページ: 1514-1517

  • [雑誌論文] Palladium-Catalyzed Coupling Reaction of Diaryl Dichalcogenide with Aryl Bromide Leading to the Synthesis of Unsymmetrical Aryl Chalccgenide2006

    • 著者名/発表者名
      Shin-ichi Fukuzawa, Daisuke Tanihara, Satoshi Kikuchi
    • 雑誌名

      SYNLETT

      ページ: 2145-2147

  • [雑誌論文] キラルビナフチル基を有する新規光学活性フェロセンの合成と変換反応

    • 著者名/発表者名
      山本 真久, 菊地 哲, 石井洋一, 福澤信一
    • 雑誌名

      中央大学理工学研究所論文集 (印刷中)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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