研究課題
基盤研究(C)
本研究では、遷移金属を含むクラスターをかご状の分子の中で簡単かつ安定に合成し、反応中にそのクラスター構造が散逸することなく人工酵素型金属活性点として機能することを目指した検討を行なった。まずラッカーゼなどのマルチ銅酵素に含まれる酸素分子の4電子還元部位の構造のモチーフを合成することには成功した。我々が、かご型配位子Lを用いてAr下で合成した[Cu^<II>_3L(OH)_2(H_2O)](CIO_4)_4(1)は、各銅中心に水またはヒドロキソイオンが配位したアコ・ジヒドロキソ錯体であった。この三核銅錯体1は、様々なアニオン種を分子内に捕捉するほか、さらに大気中の二酸化炭素と速やかに反応し、[Cu^<II>_3L(CO_3>](CIO_4)_4(2)となった。このかご型配位子Lは、さらに他の遷移金属イオンにも適用が可能で、これまでにおもに三核マンガン、三核パラジウム、三核コバルトなどのクラスター型遷移金属錯体の合成に成功した。三核マンガン錯体においては、[Mn_3(L)(CO_3)(OCOCH_3)(CH_3OH)_2(CIO_4)](CIO_4)_2(3)を合成した。このかご型分子のコア中心に結合した炭酸イオンは、前駆体としてアコ・ジヒドロキソ錯体を出発物質として生成すると考えられ、これらの水分子が多核マンガン中心において酸化されれば理想的な酸素発生錯体になる。また三核銅錯体2と同様な構造を有する三核パラジウム錯体(4)の合成に成功し、パラジウム中心にも同様に二酸化炭素を取り込むことに成功したほか、その内部の捕捉したゲスト分子に金属中心に対するかご配位子骨格の非共有結合性相互作用などを観測した。三核コバルト錯体でも様々なアニオン種に対して同様なゲスト分子捕捉を行なうとともに、他の三核金属錯体や4核以上の多核錯体の合成の検討も併せて行なった。
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