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2006 年度 実績報告書

カリックスアレーンのキャビティ内部空間を利用した高度配位制御

研究課題

研究課題/領域番号 18550061
研究種目

基盤研究(C)

研究機関中央大学

研究代表者

石井 洋一  中央大学, 理工学部, 教授 (40193263)

研究分担者 田邊 資明  中央大学, 理工学部, 助手 (20384737)
キーワードカリックスアレーン / キャビテイ / セルフインクルージョン / ルテニウム錯体 / ロジウム錯体 / レニウム錯体 / 混合金属二核錯体
研究概要

カリックスアレーン類はキャビティと呼ばれる包接サイトと配位部位を併せ持つ興味ある分子であるが、キャビティ空間の特質を積極的に利用したカリックスアレーンの配位化学は未開拓の分野である。本年度は、まずカリックスアレーンの芳香環のキャビティ内面に後周期遷移金属フラグメントがπ-配位した錯体を中心に詳しく検討を行った。その結果、比較的コンパクトなCpRu^+,(C_5H_4Me)Ru^+あるいは(nbd)Rh^+はキャビティ内側に配位するのに対し、立体的に大きなCp^*Ru^+および(cod)Rh^+はキャビティ外側に配位することがわかった。また、カリックスアレーンの環反転をO-アセチル化またはO-プロピル化で禁止するとCpRu^+の配位がキャビテイ外側に起こること、その後アセチル基を加水分解すると環反転が進行してCpRu・部分がキャビテイ内に取り込まれることを明らかとし、キャビティ内側への配位が外側への先行配位と「セルフィンクルージョン」現象の結果であることを立証した。さらに、このことに基づいてCp^*Ru^+を外側に配位させてからCpRu^+を配位させると、環反転が禁止されるためにCp^*Ru^+, CpRu^+ともに外側に配位した異性体が生成するが、先にCpRu^+を配位させればCpRu^+が内側、Cp^*Ru^+が外側に配位した異性体が得られることを示した。以上により、キャビテイ内側への配位という現象を反応機構の面から解明することができた。
一方、本研究に先立って合成したcis-ジオキソレニウム錯体への異種金属取り込みに関しては、Cu(MeCN)^+およびAg(acetone)^+を取り込んだ混合金属二核錯体の合成に成功し、その構造解析を行なうとともに、銅錯体のキャビティ内に配位したニトリル配位子がアルキン類と置換する際の反応性の差を、アルキンによる速度論的な反応性の差と、熱力学的安定性の見地から検討した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Syntheses and properties of NCN-Bridged tri-and tetranuclear complexes of cobalt and rhodium2007

    • 著者名/発表者名
      K.Takahata
    • 雑誌名

      J. Organomet. Chem. 692

      ページ: 208-216

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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