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2006 年度 実績報告書

スルホンアミド型キレート試薬の分離機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 18550070
研究種目

基盤研究(C)

研究機関金沢大学

研究代表者

平山 直紀  金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (20260557)

研究分担者 大嶋 俊一  福井工業高等専門学校, 物質工学科, 助手 (30367453)
キーワードスルホンアミド / キレート試薬 / 溶媒抽出 / 機能解析 / 互変異性 / 水和錯体
研究概要

負電荷を持つ窒素原子を電子対ドナーとして用いるスルホンアミド型キレート試薬の抽出試薬としての機能解析を目的として、以下のような基礎的研究を行った。
1 -OH基を含む各種二座配位子の-OH基をスルホンアミド基(-NHSO_2R)に置換した構造類縁体を合成し、2価銅イオン(Cu^<2+>)をモデルターゲットとしてそのキレート抽出剤としての機能を比較検討した。-OH基が脂肪族炭素原子に結合している(アルコール性-OH基)場合、これを-NHSO_2R基に置換することによりプロトン放出・陰イオン化が可能となり、その結果として中性錯体の形成が可能となる。実際、最も単純な構造と考えられるエタノールアミンの場合であっても、-NHSO_2R基への置換により1価二座配位子としての機能が発現し、Cu^<2+>の抽出が可能となった。一方、エチレングリコールの2つの-OH基を-NHSO_2R基に置換した場合には、負電荷過剰によりマスキング剤として作用した。
2 8-ヒドロキシキノリンの-OH基を-NHSO_2R基に置換した配位子は母体物質と同程度以上のキレート抽出能を示したが、β-ジケトンのエノール型-OH基を-NHSO_2R基に置換すると抽出能は顕著に低下した。この現象は、イミン-エナミン互変異性により-NHSO_2R基が=NSO_2R基へと変化して錯形成能を失いうることに起因し、-NHSO_2R基の構造的安定性がキレート試薬としての機能発現に重要な意味を持つことを示唆している。
3 スルホンアミド型キレート試薬を用いた場合、フェノール性-OH基型の構造類縁体の場合には水和錯体となって抽出能が顕著に低くなるケースであっても、十分高い抽出能を得ることができる。このことから抽出種においては、配位N原子に隣接する-SO_2-基が近傍の水和水分子を遮蔽して抽出相内での錯体安定化に寄与している推定される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Sulfonamide-type monoanionic bidentate ligands as possible chelate extractants for the copper(II) cation2007

    • 著者名/発表者名
      Chikako Kato
    • 雑誌名

      Solvent Extraction Research and Development, Japan 14(印刷中)

  • [雑誌論文] Bis[2,4-dichloro-6-(piperidin-1-ylmethyl)phenolato-κ^2N,O]copper(II)2006

    • 著者名/発表者名
      Koji Kubono
    • 雑誌名

      Acta Crystallographica,Section E 62・11

      ページ: m2858-m2859

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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