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2006 年度 実績報告書

水素ラジカルによる特異な分解反応の制御に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 18550078
研究種目

基盤研究(C)

研究機関横浜市立大学

研究代表者

高山 光男  横浜市立大学, 国際総合科学研究科, 教授 (10328635)

キーワード機器分析 / 水素ラジカル / 分解反応 / 質量分析 / 超音波 / 水
研究概要

本研究では,水中で発生する水素ラジカルを用いて有害化学物質などを分解するために,"超音波"と"水"を組み合わせた水素ラジカル発生デバイスの作成を目的としている.特に平成18年度は,水素ラジカルの発生を検出し得る反応評価システムを確立するために基礎的データを集積した.
水素ラジカルH・の発生とそれによる反応の進行評価システムとして,ペプチドにおいて原理が解明されている開裂現象(M.Takayama : J.Am.Soc.Mass Spectrom.,12(2001)420-427,1044-1049)を利用した.すなわち,ペプチド主鎖(-C_α-CO-NH-C_α-)のカルボニル酸素原子上に水素ラジカルが結合すると,カルボニル炭素原子上に不対電子を有するペプチドラジカルが生成し,アミド結合(NH-C_α)が特異的に開裂した反応生成物が生成する.ペプチドを用いた本反応系を水素ラジカル発生の検出評価システムに採用したところ,超純水と超音波の組み合わせでは,水素ラジカル付加に由来するアミド結合開裂による生成物の他に,予期しなかったペプチド結合(CO-NH)の加水分解を示す1質量違いの生成物も同時に検出された.分解物の検出には分光蛍光光度計の他にレーザー脱離質量分析計を使い,生成物の1質量単位の違いまで厳密に計測でき,水素ラジカルの発生を検出し得る反応評価システムを確立することができた.基礎的データとして,超音波照射時間と反応物の分解の程度および生成物の収量との関係,水分子の開裂に由来するヒドロキシラジカルHO・による酸化生成物の生成条件,および構造未決定であるが再現性の高い副生成物の生成条件を得ることができた.
以上の成果は,平成19年度に開催される国内外の学会で発表,および論文を国際雑誌に投稿発表する予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Evidence for the presence of fullerene in diesel soot using laser desorption mass spectrometry2006

    • 著者名/発表者名
      M.Takayama, M.Tachibana, et al.
    • 雑誌名

      J. Mass Spectrom. Soc. Jpn 54

      ページ: 39-44

  • [雑誌論文] Cooperative effect of factors governing molecular ion yields in desorption ionization mass spectrometry2006

    • 著者名/発表者名
      T.Nishikaze, M.Takayama
    • 雑誌名

      Rapid Commun. Mass Spectrometry 20

      ページ: 376-382

  • [図書] タンパク質入門 -その化学構造とライフサイエンスへの招待-2006

    • 著者名/発表者名
      高山 光男
    • 総ページ数
      218
    • 出版者
      (株)内田老鶴圃

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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