本研究の目的は、高感度検出試薬固定化マイクロチップ技術を用いて、多項目の性ホルモン検査を一つの装置内で行える一斉分析システムを開発することである。本分析システムの原理は、複数の抗体試薬を一つのマイクロチャンネル内にあらかじめ固定化し、微量の試料がチャンネル内を通過する際に複数の抗体とわずか数分の間に反応完結し、高感度蛍光検出系によって検出するというものである。これに基づいて、研究計画を以下の6項目に分類した。 (1) 分離・発色系の検討(抗原抗体反応、酵素反応、蛍光反応、感度・精度・再現性) (2) 蛍光検出技術の検討(光源・レンズ・フィルター・CCDなど光学系の選択、データ処理法) (3) マイクロチャンネル設計・作製(材質、サイズ、エッチング、固定化技術、インターフェイス) (4) 試料導入方法(採取チップ、前処理、送液) (5) 試作機の作製(モジュール結合、小型化の試み) (6) 実証実験・評価(従来機との比較、実際試料への応用)
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