研究課題
基盤研究(C)
自己相関蛍光法は、蛍光物質の粒径を測定する方法として、近年急速に注目を浴びてきた分光学的手法である。本年度は、蛍光相関法の特性すなわち、蛍光微粒子の粒径変化とピンホールの大きさなどの光学パラメーターを明らかにすると共に、クロレラやラン藻などのクロロフィル蛍光を持つ微細藻類の粒径測定に、本法を活用した。なおここでの研究の特徴は、通常の蛍光光学配置によって、粒径1ミクロン以下の光微粒子が、測定できることを明らかにできることを示す成果を上げた。ピンホールは1から200μmの直径のものを用い、石英セルに入れた蛍光微粒子(微細藻類)をセル下部のスターラーで撹拌することで運動を与え、ピンホールとレーザーで形成される体積)約1nL内の観察体積内の蛍光微粒子(微細藻類)の拡散時間を、測定することに成功した。海洋を含む天然水において、ピコプランクトン、ナノプランクトンなど粒径1μm程度の微細プランクトンが、炭酸固定に重要な役割を果たすとされているが、本研究の方法で、そうしたピコ、ナノプランクトンのサイズ測定、蛍光量からの定量が可能になったと考える。なお本システムを用いて、大腸菌の分裂に対する共存カルシウムイオンの影響を、現在調べている。一方多くの自己相関蛍光法は、共焦点顕微鏡を用いた方法で行われている。これは、観察対象が、色素分子や蛍光タンパク質などの粒径10nm程度の分子レベルとなると、上記の通常の蛍光光度法の光学配置では、観察体積が大きすぎ、分子のブラウン運動に基づく流動を観察できないためである。我々は、別に蛍光顕微鏡を用いた共焦点光学系を組み立て、フルオレセイン標識ストレプトアビジンの単量体化の観察にも成功視した。
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Bulletin of Chemical Society of Japan 81
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Journal of Environmental Science and Health.Part A 43(印刷中)
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