• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

高温高圧水を用いた温度・圧力可変型水性二相抽出システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18550081
研究機関埼玉大学

研究代表者

渋川 雅美  埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60148088)

キーワード水性二相抽出 / 高温高圧水 / ポリエチレングリコール / 疎水性水和
研究概要

ポリエチレングリコール(PEG)-硫酸ナトリウム水性二相系におけるアルコール,ケトン,ニトロアルカンの分配に及ぼす塩濃度の効果を検討し,各有機化合物の分配係数が溶質と高分子溶液相との相互作用および塩斥効果の関数として表すことができることを示した。また,高分子溶液相への分配係数を推算し,その値がPEGゲル粒子を充填したカラムを用いる液体クロマトグラフィーにより得られる分配係数とよく一致することを明らかにするとともに,示差熱分析により得られた結果から,水性二相抽出における分離選択性は特定の水和構造を持つPEG相への分配によるものであることを示した。ついで前年度において作製した,高温高圧下で水性二相抽出を行ないうる抽出装置を用い,アルコールとケトンをモデル化合物として,分配係数の温度依存性を25-100℃の範囲で調べ,相間移動自由エネルギーΔGを求めて抽出機構の解析を試みた。その結果,メチル基とメチレン基のΔGは負の値であるのに対して,ヒドロキシル基とカルボニル基のΔGは正の値であること,また前者は実験温度範囲内で一定とみなすことができるのに対して後者は80℃以上で著しく大きくなることがわかった。これらの結果から,水性二相抽出においては温度を変化させることによって分配係数を大きく変化させ,分離を制御できることが明らかになった。一方,高分子の疎水部と水分子の相互作用,ならびに分離選択性への寄与を明らかにすることを目的として,アルキル化学結合型シリカゲルを用いた逆相液体クロマトグラフィーにおけるイオンの保持挙動を,独自に開発した移動相体積測定法を駆使して検討した。その結果,アルキル結合層表面にはバルクの水とは異なる溶質親和性を持つ水の層が形成され,その水が分離媒体として機能していることを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Measurement of Mobile-Phase Volume in Reversed-Phase Liquid Chromatography and Evaluation of the Composition of Liquid Layer Formed by Solvation of Packing Materials2007

    • 著者名/発表者名
      M. Shibukawa, Y. Takazawa, K. Saitoh.
    • 雑誌名

      Analytical Chemistry 79

      ページ: 6279-6286

    • 査読あり
  • [学会発表] 逆相液体クロマトグラフィーにおける移動相体積の測定と充填剤の溶媒和層構造に関する考察2007

    • 著者名/発表者名
      渋川雅美, 高澤裕司, 齊藤和憲
    • 学会等名
      第18回クロマトグラフィー科学会議
    • 発表場所
      函館
    • 年月日
      2007-11-09
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [学会発表] 高温水を用いたポリエチレングリコール/硫酸ナトリウム水性二相抽出2007

    • 著者名/発表者名
      赤沼友実子, 齊藤和憲, 南澤宏明, 日秋俊彦, 鎗田孝, 渋川雅美
    • 学会等名
      日本分析化学会第56年会
    • 発表場所
      徳島
    • 年月日
      2007-09-21
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [備考]

    • URL

      http://www.apc.saitama-u.ac.jp/%7Ebunseki/Index1.html

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi