研究課題
基盤研究(C)
BINAPのモノフェニルスルフィド類縁体S-MOPの新規合成法の開発、およびフェニルスルフィド置換PhS-MOPから調製される光学活性Pd触媒をジメチルマロネートと1,3-ジフェニルプロペニルアセテートとの不斉アリル化反応に用いると高収率かつ高不斉選択性でアリル化生成物が得られることを明らかにした。また、インドールを求核剤に用いる不斉アリル化反応においても80%eeを超える比較的良い選択性で生成物を与えることを見出した。さらに、PhS-MOPがPdC1_2に配位したPd錯体(PhS-MOP/PdC1_2)とAgSbF_6から調製されるルイス酸性Pd触媒をN-Acryloy1-2-oxazolidinoneとシクロペンタジエンとの不斉Diels-Alder、反応に応用したところ、90%、90%eeと高収率および高選択的に付加環化生成物を得られることを見い出した。PhS-MOP/PdCl_2錯体のX-線結晶構造解析を行い、PとSのトランス効果の違いなどの構造化学的特徴を明らかにすると共に不斉Diels-Alder反応における選択性に関する構造化学的知見を得た。また、Pd触媒開発の一環として新規配位子ジ(tert-ブチル)(ルテノセニル)ホスフィン(R-Phos)を開発した。配位子R-PhosとPd(dba)_2から調製したPd触媒は、不活性な基質を用いる鈴木-宮浦反応においても短時間で定量的に目的物を与える非常に優れた高活性触媒であることを明らかにした。
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Organic Letters 10
ページ: 2063-2066
Organic Letters 10(10)