研究概要 |
研究代表者は、平成18年度の研究において、金属ランタンとベンゾフェノンの反応を従来の不活性ガス雰囲気下で行うとベンズヒドロールが得られるのに対し、二酸化炭素雰囲気下では、全く異なった反応が進行し、2,2,3,3-テトラフェニルエチレンオキシドが得られるとの結果を得た。また、様々なジアリールケトンを用い反応を検討し、この反応が一般性を有していることを明らかにした。さらに、ベンゾフェノンと金属ランタンの二酸化炭素雰囲気下での反応をアルキルアリールケトン共存下で行うと非対称オキシランが得られるとの知見を得た。 そこで本年度はベンゾフェノンとアルキルアリールケトンの二酸化炭素雰囲気下での反応を円滑にかつ温和な条件下で効率よく進めるため、反応条件の最適化を図った.口その結果、不活性ガスの雰囲気下でまずベンゾフェノンとアルキルアリールケトンを金属ランタン存在下で反応させ、その後二酸化炭素をその反応溶液に吹き込む二段階法を用いるとベンゾフェノンとアルキルアリールケトンが脱酸素交差カップリングを伴い反応が進行した非対称オキシランが収率良く得られることを見出した。この反応は一般性を有し、この反応を利用することで様々な四置換オキシランを中〜高収率で合成できることを併せて明らかにした。さらにこの反応を、ベンゾフェノンとジアルキルケトンの反応に応用したところ、フェニル基の転移を伴いながら反応が進行するという、全く異なったタイプの反応が進行し対応するケトンが生成するとの知見も得た。
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