研究概要 |
研究代表者は、平成18年度の研究において、金属ランタンとベンゾフェノンの反応を従来の不活性ガス雰囲気下で行うとベンズヒドロールが得られるのに対し、二酸化炭素雰囲気下では、全く異なった反応が進行し、2,2,3,3-テトラフェニルエチレンオキシドが得られるとの結果を得た。また、様々なジアリールケトンを用い反応を検討し、この反応が一般性を有していることを明らかにした。さらに平成19年度においては、ベンゾフェノンと金属ランタンの二酸化炭素雰囲気下での反応をアルキルアリールケトン共存下で行うと非対称オキシランが、ジアルキルケトンの共存下の反応では、フェニル基の転移を伴いながら反応が進行するという、アルキルアリールケトン共存下とは全く異なったタイプの反応が進行し対応するケトンが生成するとの知見も得た。そこで、本年度は、それら2つの反応を円滑かつ温和な条件下で効率よく進めるため、反応条件の最適化を図った。その結果、不活性ガスの雰囲気下でまずベンゾフェノンとケトンを金属ランタン存在下で反応させ、その後二酸化炭素をその反応溶液に吹き込む二段階法を用いるといずれの反応も効率よく進行し、対応するオキシランならびにケトンが収率良く得られることを見出した。また、これらの反応は一般性を有していることも明らかにした。 さらに、金属ランタン以外の他の金属においても同様の二酸化炭素の効果が発現するか検討したところ、マグネシウムでも同様の効果が確認された。
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