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2006 年度 実績報告書

高分子ナノカプセルにおけるガラス転移ダイナミックスの特性化

研究課題

研究課題/領域番号 18550107
研究種目

基盤研究(C)

研究機関福井大学

研究代表者

佐々木 隆  福井大学, 工学研究科, 助教授 (50242582)

キーワード高分子構造・物性 / ガラス転移 / ナノカプセル / 示差走査熱分析
研究概要

棒状の炭酸カルシウム微粒子をコア、ポリスチレンをシェルとするナノカプセルの合成を行った。モノマーなどの仕込み量を制御することにより、シェル厚の異なる試料を合成することができた。また、架橋剤の仕込み量を制御することにより、架橋密度の異なる数種の試料を合成した。さらに、界面の効果を調べるため、シランカップリング剤を添加した試料の合成も行った。以上の全ての試料について中空化した試料を塩酸処理により合成した。合成した試料の形状やサイズを調べたところ、シェル層の厚さは20〜80nmの範囲で制御されており、また、中空化試料についても中空構造を確認することができた。
合成した全ての試料についてガラス転移温度TgなどをDSC Step-Scan法により測定した。その結果、架橋なしの試料においてはポリスチレンシェルのTgはバルク試料とほぼ一致した。一方、架橋した試料においては、Tgは対応する架橋バルク試料よりも高くなった。このような傾向はシェル層の厚さが小さいほど顕著にみられた。さらに、中空微粒子においてはコア/シェル微粒子よりもTgが低くなる傾向がみられたが、それでもなおバルクのTgよりも高いことがわかった。また、シランカップリング剤の添加によってTgの増大がみられた。以上の結果は、界面での易動度低下の効果、架橋の不均一性の効果、およびconfigurationの効果がTgに影響を与えたことが示唆された。
ガラスラス転移ダイナミックスについては、まずガラス転移のシグナルがバルク試料よりもブロードになることがわかった。これは、動的特性長ξが増大することに対応する。この傾向は架橋度の増大とともに顕著にみられた。次に、冷却過程の温度変調DSC測定によりガラス転移ダイナミックス、および構造緩和過程を特徴付けるパラメタの評価手法をほぼ確立することができた。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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