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2006 年度 実績報告書

ヘムオキシゲナーゼの酵素化学的検討とヘム分解系マシーナリーへの展開

研究課題

研究課題/領域番号 18550153
研究種目

基盤研究(C)

研究機関九州工業大学

研究代表者

坂本 寛  九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (70309748)

研究分担者 安永 卓生  九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (60251394)
東元 祐一郎  久留米大学, 医学部, 講師 (40352124)
キーワード酵素反応 / 蛋白質 / ヘムオキシゲナーゼ / シトクロムP450還元酵素 / 熱測定 / 電子顕微鏡 / 構造解析 / シグナル伝達
研究概要

本年度は主に以下の2点について実績があった。
1.ラットヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)によるヘム結合の熱測定:
ラットHO-1にヘムを滴定し、紫外可視吸収スペクトルおよび等温滴定型熱量計によって測定した。その結果、ヘムの解離定数(K_d)はlO^<-8>Mオーダーで、温度変化(8〜37℃)に対してΔGは-39〜-43kJ/molとほとんど変化せず、温度上昇に伴うΔHの減少(-6〜-28kJ/mol)と-TΔSの増加(-32〜-15kJ/mol)によって相殺されていた。ヘム蛋白質の成熟過程では、ヘム結合により大きな構造変化が起こるが、HO-1のΔHは比較的小さく、ΔS>0であることから、HO-1のヘム結合による構造変化は小さく、ヘムポケット周辺に限定されると考えられ、先に我々の提唱した誘導適合モデルを支持する結果が得られた。また、H25Aは野生型に比べて、結合能が300倍低下しており、His25のヘムポケット形成時における重要性が示唆された。
2.クライオ電子顕微鏡法によるヘムオキシゲナーゼ-1(HO-1)・シトクロムP450還元酵素(CPR)複合体の結合様式の解明:
ラットHO-1をGST融合蛋白質として大腸菌を用いて発現・精製し、試料をクライオ電子顕微鏡により観察した。投影画像の位相補正を行い、CPR・GST-HO-1複合体と認識できる分子を1分子ずつ切り出し、CPRおよびHO-1の結晶構造、複合体シミュレーションモデルと比較した。さらに、1分子画像の投影角を決定し、3次元複合体像を取得した。電子顕微鏡による観察、撮影により得られたCPR・GST-HO-1複合体1分子画像を、CPR・HO-1複合体シミュレーションモデルと比較したところ、モデルと類似の結合様式をとることが確認できた。さらに詳細な比較のため、単粒子解析法により3次元像を再構成したところ、HO-1のCPRに対する結合角がモデルとは若干異なることが分かった。3次元モデリングにより、HO-1がCPRのFMNドメインにより接近するように複合体を形成していることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] X-ray crystallographic and biochemical characterization of the inhibitory action of an Imidazole-dioxolane compound on heme oxygenase2007

    • 著者名/発表者名
      Masakazu Sugishima
    • 雑誌名

      Biochemistry 46・7

      ページ: 1860-1867

  • [雑誌論文] The reaction of heme- and verdoheme-heme oxygenase-1 complexes with FMN-depleted NADPH-cytochrome P450 reductase2006

    • 著者名/発表者名
      Yuichiro Higashimoto
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry 281・42

      ページ: 31659-31667

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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