研究概要 |
1.細胞質内での高効率siRNAノックダウン法の開発 ヒト白血病細胞に発現するbcr/abl遺伝子mRNAを標的としてコンジュゲートsiRNAによるノックダウン効果を評価した。細胞内分解酵素を高めることには成功したが、細胞導入効率は期待したほどには上がらず新たな細胞導入法の開発が必要であることがわかった。現在、両親媒性カチオン性ペプチドを用いる新規遺伝子導入法を開発中である。 2.細胞質に局在化するコンジュゲートsiRNAの合成と活性評価 3種類の核外輸送シグナルペプチドとのコンジュゲートsiRNAの細胞質局在化を評価した。しかしながら、コンジュゲートsiRNA単独では細胞導入効率が低く新たな導入法を開発する必要があることが判明した。 3.コンジュゲートsiRNAによる遺伝子ノックダウン 細胞膜透過性,分解酵素耐性,bcr/abl遺伝子inRNAを標的としたノックダウン効果を評価した。ワイルドタイプsiRNAやアンチセンスS-DNAとの活性を比較した。その結果、ワイルドタイプsiRNAは30%以下、アンチセンスS-DNAは60-70%のノックダウン効率であったのに対して、核外輸送シグナルペプチドとコンジュゲートしたsiRNAは100nM濃度で90%以上の効率で標的遣伝子をノックダウンすることを見出した。
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