研究概要 |
1.Terpyrideineの4'位に長鎖アルキル鎖を導入した[Co(C_n-terpy)_2](BF_4)_2(n=0〜22)を設計した。[Fe(C_n-terpy)_2](BF_4)_2は長鎖を有し低スピン錯体である。,そこで、コバルト錯体での合成を諌みた。長鎖はあるが液晶性は示さなかった。しかし、固体でのパッキング構造は長鎖間に弱い結合が生じるので、そり揺らぎにより構造的には液体状態に近くなると推定される。中心金属をコバルトに変えた[Co(C_n-terpy)_2](BF_4)_2(n=1,9,11〜16)は過去に報告例のない逆箔ピン転移現象を示した。 つまり、高温側では低スピン状態を、低温側では高スピン状態を示す。転移温度は鎖の長さにより異なる。この原因を究明するために[Co(C_n-terpy)_2](BF_4)_2と[Fe(C_n-terpy)_2](BF_4)_2との混晶をつくり、磁気的性質を調べた。その結果はFeの含有率によって異なるが、構造転移は共同的に起こってはいるが、スピン転移はコバルト錯体部分のみで起こっているこどなどを明らかにした。 2.[Fe(q-5Br-sal)_2]NO_3におけるLIESST現象を追求した。これと類似の錯体はLIESST現象を示すことが、以前の研究で判明しているので、類似の錯体を合成し、LIESST現象を熱力学的に追及して、動力学的パラメータを算出した。その結果、高温部では熱力学的に、低温部ではトンネル的にスピン転移が起こっていることを解明した。
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