研究概要 |
本年度は糖アルコールー酸化物複合体ナノ粒子の粒径および形態制御について検討し更に二次凝集構造制御によるナノ細孔構造制御について検討を行った。これらの研究成果について以下の2点に分けて以下記述する。(1)TiO_2-糖アルコール複合体の酸による加水分解反応を利用したTiO_2-糖アルコール複合体ナノ粒子の粒径制御。TiO_2-糖アルコール複合体をo.5M硝酸水溶液に分散し45℃〜950℃にて24h静置することによりTiO_2-糖アルコール複合体ナノ粒子を得ることができた。またその粒径は静置温度が高くなるほど増大し10nm〜55nmの範囲で制御する事が出来た。また,TiO_2-糖アルコール複合体ナノ粒子中の糖アルコール含有量は,静置温度を高くするほど減少し糖アルコール担持量も静置温度により制御可能であることを明らかにした。更に,得られたTio2-糖アルコール複合体ナノ粒子について,波長が365nmの紫外光を照射し光触媒活性を測定した。その結果,TiO_2-糖アルコール複合体ナノ粒子は光照射の初期段階において光酸化活性よりも光還元活性を強く示す特異な光触媒活性挙動を示すことを見出した。(2)多価アルコール溶液中での金属水酸化物の熟成によるポーラスな二次凝集構造の創生 本年度新たに,Zn(OH) 2の多価アルコール溶液中での静置、熟成プロセスによるZnOナノ粒子の二次凝集構造制御について検討を行った。この結果,2価のエチレングリコール水溶液中35℃にてZn(OH)_2を静置することによって粒径が10nm程度のZnOナノ粒子がポーラスかつ球状に凝集した二次粒子を形成することを見出した。またその細孔は一次粒子であるナノ粒子の粒子問細孔でありエチレングリコール中の水分含有割合が増加することにより一次粒子径が増大することで細孔径および細孔容量が増大することを明らかにした。これらの知見は次年度の糖アルコール-酸化物複合体ナノ粒子の物性や触媒活性の検討における基礎的な知見を与える物である。
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