研究課題/領域番号 |
18550181
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
芦田 淳 大阪府立大学, 工学研究科, 講師 (60231908)
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研究分担者 |
池永 明 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (60128759)
脇田 和樹 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (80201151)
沈 用球 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (20336803)
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キーワード | 酸化亜鉛 / 電気化学 / パルス電流 / 薄膜成長 / 太陽電池 / 結晶成長 |
研究概要 |
電気化学的手法による酸化亜鉛薄膜の作製を試み、次の成果を得た。 1.多結晶金属上の成長 ガラス板上に製膜した多結晶金薄膜を作用極として酸化亜鉛薄膜を作製した。結晶性向上に必要な製膜速度制御を実現するために電解電流密度一定の条件下で製膜し、結晶性ならびに表面形態を評価した。その結果、電解電流密度が22-71μA/cm^2において良好な結晶性の酸化亜鉛薄膜が得られた。またそれらはシャープな六角形の板状結晶粒からなる薄膜であり、粒径は1-5μmであった。これより大きな電流で製膜した場合は、1μm以下の微小な結晶粒が密に詰まった表面形態となった。一方より小さな電流では、明瞭な直線エッジを持たないサブグレインからなる直径10μm以上の半球状の結晶粒が観察された。 2.単結晶金属薄膜上の成長 単結晶c面サファイア上に高周波スパッタリング法によってプラチナ薄膜をエピタキシャル成長させたものを作用極とし、上記多結晶電極上で良好な結果が得られた電解電流範囲を参考にして製膜を試みた。その結果、X線回折測定によりいずれも(0002)単一配向であることを確認した。また電子顕微鏡観察の結果明瞭な六角形の結晶粒が確認された。77μA/cm^2で作製した場合にはそれらの粒は面内でランダムな方位を有しており、基板の面内方位を反映していない成長であった。一方22μA/cm^2で作製したものは全ての粒の六角形の辺が同一方向を向いており、エピタキシャル成長の可能性が示唆された。 以上から電気化学的手法により高品位酸化亜鉛薄膜作製の可能性が示され、本研究の目的に対して大きな一歩が踏み出された。以上の成果にっいては、これまでに計4件の学術講演を行い、また学術論文としてとりまとめる作業を現在進めている。
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