研究課題
超臨界流体下で高分子フィルムを延伸可能な超臨界延伸装置にひずみゲージ、ひずみゲージセンサインタフェースを装着して、延伸中の抵抗値の変化を測定することで、超臨界延伸中の高分子フィルムの応力を測定可能な装置を試作した。試作した装置とLabVIEWソフトウェアを用いることで、高圧の超臨界二酸化炭素雰囲気下での応力測定を可能にした。結晶化度が約70%の未配向高密度ポリエチレンを用いて、大気圧下65℃および10MPa65℃の超臨界流体下で延伸したところ、超臨界二酸化炭素雰囲気下では大気圧下に比べて弾性率が80%、降伏応力が60%まで低下することが見いだされた。高密度ポリエチレンは延伸による変形過程でラメラ積層体の回転を経てラメラ積層体の間隔が広がり、超臨界二酸化炭素は結晶領域には含浸されず非晶領域のみに含浸することから、超臨界二酸化炭素雰囲気下での応力低下の要因は非晶領域における分子鎖の数密度が低下することでラメラが広がりやすくなったことによると考えられる。また、非晶性高分子で延性を示すポリカーボネートを超臨界二酸化炭素雰囲気下で応力-ひずみ挙動を調べたところ低温では応力が低下して破断伸びが増加したが、高温では破断伸びが低下して脆性を示すことが見いだされた。
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