• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

高分子材料の破壊・破損時における力学エネルギーの吸収機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18550188
研究種目

基盤研究(C)

研究機関金沢大学

研究代表者

新田 晃平  金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (70260560)

研究分担者 高橋 憲司  金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (00216714)
河村 幸伸  金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (20377401)
キーワードレオオプティクス / 蛍光発光 / ラマン分光 / 一軸延伸 / ポリエチレン
研究概要

蛍光発光物質の一つであるクマリン153と高密度ポリエチレンの共溶媒用いて混合後、溶媒を飛散させることで、蛍光物質を均一にドープした高密度ポリエチレン試料を調製することに成功した。
両袖式小型一軸延伸機の試料設置部に、クマリン153の励起光源を試料面に垂直に照射されるように、励起光の光学系を組んだ。試料の後方に励起光が入射しない角度に分光装置を配置することで蛍光発光スペクトルの分光系を組んだ。この装置により、一軸延伸過程中の蛍光発光スペクトルを、応力-ひずみ挙動と共にその場測定可能となった。
開発した装置を用いて、様々な結晶度の高密度ポリエチレン一軸延伸過程中のクマリン153の蛍光発光挙動を試料の示す応力と共に延伸時間の関数として測定した。測定した結晶度の範囲では、延伸過程中のどの領域においても、クマリン153の蛍光発光の波長に変化は見られなかったが、発光強度は材料が破損する降伏領域のみで大きく増大することがわかった。また、結晶度が高くなるほど、発光強度の増大が顕著に現れた。降伏領域ではラメラ状結晶からなる高次構造である球晶の破壊が起きているとされており、降伏領域以降まで変形が進んだ場合、材料は破損状態となり使用できなくなる。観察された蛍光発光の増大は降伏領域でおこっており、かつ結晶度の上昇と共に強度も増大することから、蛍光発光強度の増大と球晶構造の破壊は密接に関連している。このことは、蛍光発光強度の測定を行うことで、材料の破損の程度を非破壊で検査できることを示唆している。

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi