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2007 年度 実績報告書

水溶性ポリペプチドゲルの形状記憶能と膨潤・収縮機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18550193
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

猪股 克弘  名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (80232578)

キーワード高分子ゲル / 水溶性ポリペプチド / 形状記憶 / 結晶化
研究概要

本研究課題では,水溶性のポリ[N^5-(2-ヒドロキシエチル)L-グルタミン](PHEG)の側鎖に,結晶化を起こすような長鎖アルキル基(炭素数n)を導入した,PHEG-graft-Cnの化学架橋型のゲルを研究の対象とし,アルキル鎖の結晶化による形状記憶能の発現を目指すものである。
本年度は,昨年度とは異なる新たな調製手法を確立し,また側鎖の組成や架橋度を明確にする目的で,PHEGにアルキル側鎖を導入した後,濃厚溶液をゲル化する手法を試みた。
まず,PHEGの側鎖末端に存在するヒドロキシル基に,オクタデカノイルクロライドを反応させて,長鎖アルキル基を有するPHEG-graft-C18を得る。ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させた10%溶液に,架橋剤としてドデカンジオイルジクロライドを加え,よく攪拌した。ガラス管中に溶液を満たした後,加熱することでゲル化させた。反応終了後,ゲルをガラス管中から取り出し,DMSO中で浸漬させ不純物を除き,さらに蒸留水中に浸漬して溶媒置換を行い,最終的なロッド状のゲル試料を得た。
以上の調製方法で,側鎖導入率が5mol%,26mol%の二種類のPHEG-graft-C18を用いてゲル化を行ったところ,前者は非常に柔らかく形状記憶試験を行うことができなかったが,後者は,架橋剤を60mol%以上加えた場合にゲル化し,形状記憶試験を行うことが可能であった。ロッド状のゲルを60℃で約30%延伸し,2℃に冷却するとその長さで固定化した。再び60℃に昇温すると,自発的にもとの長さまで戻ることから,形状記憶能があることを確認した。示差走査熱量測定の結果,2℃での延伸状態の固定化は,アルキル鎖の結晶化によるものであることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ABAトリブロック共重合体溶液の組み替え網目構造とその変形・回復挙動2007

    • 著者名/発表者名
      猪股 克弘
    • 雑誌名

      高分子論文集 64(5)

      ページ: 309-316

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Association Behavior of One-End Hydrophobically-Modified Poly[N^5ー(2-hydroxyethyl) L-glutamine] in Water/Ethylene Glycol Mixed Solvent2007

    • 著者名/発表者名
      Katsuhiro Inomata
    • 雑誌名

      Colloid and Polymer Science 285(10)

      ページ: 1129-1137

    • 査読あり
  • [学会発表] 水溶性ポリペプチドゲルの調製と形状記憶能の発現2007

    • 著者名/発表者名
      世古口 怜奈
    • 学会等名
      第六回産官学接着若手フォーラム
    • 発表場所
      岐阜大学工学部
    • 年月日
      2007-12-07

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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