研究概要 |
本年度は、(i)平成18年度に行った透過像コントラストの最適化を基礎とする3D TEMによる定量的な三次元画像の取得を継続して行い、同時に、(ii)諸物性計測の基礎となる画像処理アルゴリズムの開発も行った。 具体的には、ゴム中に2種類のナノフィラーを分散させたナノコンポジットの三次元構造観察と解析を行った。ナノフィラーとしては、カーボンブラック(CB)とシリカナノ粒子(Si粒子)を用いた。この系は実用的にはタイヤのトレッドゴムのモデル系である。前年度に寝室電子エネルギー分光法(EELS)を用いて2種類のフィラーの識別と三次元観察を行っているため、本年度は、より得られた三次元画像に対して、モンテカルロ計算を用いることにより、CBやシリカ粒子の一次粒子の位置を推定する計算アルゴリズムの開発を行った。この結果、"仮想的な"一次粒子の空間存在位置を推定できるようになった。この結果を、H.Jinnai, et. al.,Macromolecules,40,6758(2007)として発表した。
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