研究課題
基盤研究(C)
チオインジゴ、フルギドを光プローブとして光反応の量子収率の分布を求めた。プローブ分子の光異性化の量子収率は水中では単一の値であったがPMMA中では0の成分を含む幅広い分布となった。また、チオインジゴはC=C二重結合の回転機構で異性化が進行するので臨界自由体積が大きくPMMA中で自由体積の影響を受け量子収率が溶液中と比べ小さくなったのに対し、フルギド540は局所的な閉環反応であるため臨界自由体積はそれほど大きくないため平均量子収率の絶対値は溶液中とそれほど変わらなかった。しかし、分子のコンフォーメーション変化は自由体積の影響を大きく受けた。フルギド670は嵩高いアダマンチリデン基のためコンフォーメーションの多様化に対応する量子収率分布が観測された。次に、モデル分子を用いて分子間距離と分子間相互作用エネルギーをGaussian03を用いてクラスター展開法および密度汎関数法で計算した。系の過剰エネルギーが室温におけるボルツマンのエネルギー程度の増加を示すか、あるいは光励起エネルギーの振動緩和による過剰エネルギー程度に達するか2つの場合を想定してみたが、いずれの計算条件において核間距離を2.4Åより近づけると二分子の相互作用エネルギー値が増加し分子間相互作用が生じていることが分かった。従って、電子密度の広がりを考慮にいれたとしても分子のファンデルワールス半径程度の距離が相互作用半径であることが分かった。この結果をもとに光反応プローブの活性化体積を定量化が可能にな理、ポリマー中の自由体積の分布および異方性と、ポリマーの物性や緩和現象との相関が明らかになった。
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