2年前に、申請者の研究室でSi基板上の一部の領域で無転位GaP結晶を作製することができるようになっていた。有機金属気相成長法で結晶を作製している。運だけでできてしまっていたところがある。本研究者の有機金属気相成長装置では均一な膜ができていなかったため、幸運に巡り会えたところがある。そこでSi表面全体に無転位GaP結晶を作製することが具体的目標となった。有機金属気相成長装置の特徴と結晶成長メカニズムを考えながら研究を進めた。その結果、高品質結晶であることを示すクロスハッチパターンが基板全面に出るようになってきた。まだうまくできていない他の研究室との違いを断定できるようにはなっていないが、傾向として以下の点が解ってきた。 高い温度で結晶成長させるとうまくいかないというのが常識になっているが、条件さえそろえば必ずしもそうではないとが解った。すべての成長条件を確認したわけではないので不可欠というわけではないが、800℃以上でガス原料供給料を制御すると高品質結晶が基板全面に成長させることができることがわかった。また成長前のSi基板の処理でGaP表面の状態が変わる可能性もあることが解ってきた。今後の課題である。 GaPをベースとした発光デバイス実現のため、InPドットを作製してみた。ドットと思われる構造を確認することができた。その密度は3×10^9cm^<-2>である。ドットの密度はもう少し高くして現状の3倍にしたいので、成長条件を探求していく。またドットの大きさが小さいので大きくなるよう成長条件を探していく。成長温度を変えると劇的にドットの数が変化するので、ガス原料の分解が重要であると考えている。
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