作製パラメータ最適化に必要な物理モデルの確立ならびにデータ蓄積を行うために、真空蒸着過程の(a)その場観察装置の設計・作製を行い、基板表面における(b)選択吸着・配向過程の観察、並びに(c)配向成長過程のシミュレーション計算による結果を比較検討することにより、これまでの研究で得られてきた結果を踏まえて(d)吸着・配向機構の解明を試みた。 (a)その場観察装置の設計・試作 新規購入真空蒸着装置に現有のQCMを組み合わせることで、「その場観察蒸着装置」の設計・作製を行った。 (b)選択吸着・配向過程の観察 有機分子の異方性を考慮した多段階の素過程からなる吸着・配向モデルについて、モデル分子としてパラフィンなどの長鎖分子およびジアミノフルオレンなどの芳香族分子を用い、気相から基板上への吸着・配向過程について測定を行った。また、吸着量変化の結果より蒸気圧ならびに昇華エネルギーを見積もり、他手法による結果と比較することによってその妥当性について検討した。 (d)配向成長過程のシミュレーション計算 有機分子の異方性を考慮した多段階の素過程からなる吸着・配向モデルについて、アブラミの結晶成長理論による計算結果との比較・検討を行った。 (d)吸着・配向機構の解明 上述のモデルによる計算結果ならびに実験結果について、統合的に検討を行った。
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