前年度までに得られた結果を利用して、作製パラメータ最適化に必要な吸着エネルギーなどの真空蒸着基礎パラメータの値を求め、様々な蒸着分子や基板におけるデータの蓄積を行った。さらに、それらのパラメータを用いて薄膜成長過程のシミュレーション計算を行い、作製条件(パラメータ)の最適化を行った。以上の結果を総括し、有機薄膜における作製パラメータ最適化手法の確立への指針を得た。 1.吸着・配向に関する基礎パラメータの評価とデータの蓄積 様々な有機分子について、気相から基板上への吸着・配向における初期過程について測定を行った。 ・基板種や蒸着物質(有機物)の組み合わせを変え、また蒸発源温度や基板温度を変えながら付着挙動を測定することにより、吸着エネルギー、界面エネルギー、蒸発速度定数等を求めデータの蓄積を行った。 2.薄膜成長過程のシミュレーション計算によるパラメータ最適化 有機分子の吸着・配向過程について、以下の検討を行った。 ・必要とされる薄膜構造(垂直配向、平行配向など)を作製するための、基板温度や蒸発速度(入射分子頻度)などの蒸着パラメータ(蒸着条件)を予測する手法について検討した。 3.有機薄膜における作製パラメータ最適化手法の確立 シミュレーション結果と実際の実験結果とを比較して、以下の検討を行った。
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