1.研究の第1段階として、赤外レーザー光をブリュースター角顕微鏡視野内に導入し、水面上単分子膜を融解し、非平衡ドメインの核形成・成長を初期化するための光学系をデザインし、光ピンセットによる局所レーザー加熱により形成される非平衡成長ドメインフロントの成長モードをトラッキングするためのブリュースター角顕微鏡+光ピンセットシステムを構築した。また、これと平行して、単分子膜の相状態を同定するための表面圧-分子占有面積曲線をコンピュータ上に取り込み、データ解析を行えるようにした。 2.研究の第2段階として、水面上単分子膜の固相膜に対して光ピンセットにより局所レーザー加熱を行った場合に生ずるであろうさまざまな成長モードの探索とそれらのモードの観察を行った。その結果、固相膜の融解後、数秒内で顕微鏡視野内にマランゴニー不安定性に起因すると思われる明確な非平衡成長ドメインの方向性成長が観察された。さらに、これらの成長.ドメインの主枝間、あるいは副枝間で互いに向かい合う方向で2つのドメインの枝が成長する場合に、これまでには報告されていない、強いドメイン間の相関が特徴的な成長パターンとして観察された。
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