研究概要 |
H18年度に行ったことは装置の新規開発である。絶縁体表面原子構造(表面第1原子層〜第3原子層)1を解析する自的で新しい低速原子散乱装置を自主開発した。ブラックボックスはない。低速原子ビームを生成するため、最初にイオンビームを生成するためのイオン源を自作した。その後に電荷交換反応を利用して電気的に中世な原子ビームを生成した・絶縁体表面に低速原子ビームを照射した際に得られるスペクトルを計測する方法として飛行時間計測法を採用した。検出器にはマイクロチャンネルプレート(MCP) を利用した。飛行時間計測にあたり様々な電子機器を自作しかつ、計測ソフトも自作した。具体的には、プリアンプ、アンプ、time-to-digital converter(時間デジタル変換器、時間分解能10 nsec、4ch)、パルスジェンレータ(50V,3ch独立)、マニェピュレータ回転用ステッピングモータ制御器である。低速原子散乱装置は電気的に中性なビーム(原子ビーム)を用いて絶縁体表面構造を原子レベルの分解能(0.1Å以下)で計測する特徴をもつ。一般に絶縁俸表面は電子線、イオンを照射しても電荷蓄積効果のため計測ができないがこの問題を解決し現在までに絶縁体試料表面原子からのスペクトルが計測できるまで開発が出来ている。
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