研究概要 |
今年度は以下の2点について研究を遂行した.両研究を遂行するに当たって,8コアー16GBRAMのクラスター型ワークステーションを購入し,8コアーを独立に動かすことで,大量のパラメータ範囲をスキャンする計算が可能となった. 1.周期系をベースにしないネットワーク型UDPSの光学応答を,2次元FDTD法によって求め,各モードでのギャップ構造を特定した.ネットワークの作成方法としては,円柱のUDPS型ランダム配置をベースにして,整数Nを決め,各円柱とその第N以下の最隣接円柱との間を,誘電体壁で結合したものを選んだ.パラメータNは3から5の間を取り,円柱間を結ぶ壁の厚さもパラメータとして,安全ギャップの出現を探索した.完全ギャップ出現のためのパラメータの特定にはいたらなかったが,ある程度の範囲でパラメータを限定することができた.又,周期系ネットワークにランダムネスを入れる計算も前年度に引き続き遂行し,より広範な範囲でのバンドギャップ形成の地図の作成を試みた. 2.周期系のネットワークを切断し,各円柱の位置に周期的な変調を加えることで,湾曲形状の2次元光導波路の作成に成功し,FDTD法でその光学的特性を研究した.TE・TMの両モードでの導波路の作成までにはいたらなかったが,この考え方が,2次元有限要素法の3角メッシュ形成法と極めて類似している事に気づき,有限要素法とFDTD法を融合する新手法開発の糸口を得た.
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