研究課題/領域番号 |
18560032
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
宮本 洋子 電気通信大学, 電気通信学部, 助教 (50281655)
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研究分担者 |
竹内 繁樹 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (80321959)
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キーワード | 応用光学・量子光工学 / 量子エレクトロニクス / 暗号・認証等 / 量子コンピュータ / 光源技術 / もつれ合い / 光の軌道角運動量 / ラゲールガウスビーム |
研究概要 |
1. 本年度は本研究で提案する干渉計を用いた重ね合わせ状態検出システム(干渉計システム)をパラメトリック蛍光のシグナル光・アイドラ光の両側に適用して、軌道角運動量もつれ合い状態の検出を行うことを目指した。そのために前年度の片側にのみ干渉計システムを適用した実験を再検討し、重ね合わせの相対位相に対する同時計数率の変動が正弦波からはずれること、Gouy位相の影響が未検討であること、の2点を解決すべきことが分かった。前者については測定対象外の方位角成分の遮断について実験による検証を行い、ホログラムの歪みにより遮断が不十分であること、このことが光軸特定にも影響を与えることを確認した(青木、Optics and Photonics Japan他)。後者についてはビームの集光位置を前後きせることでGouy位相を通しく重ね合わせの相対位相を操作できることを示した(川瀬、日本物理学会)。研究期間内に両側に干渉計システムを適用するには至らなかった。 2. 干渉計システムに必要なホログラムの改良を行った。強度分布の回転対称成分によって歪みを定量化する手法を導入し、2回対称・3回対称の成分をそれぞれ0.3%前後まで削減した(尾藤、Optics and Photonics Japan)。 3. 測定結果の解釈について、理論面の整備を行った。もつれ合い状態を前提とする場合は、片側にのみ干渉計システムを用いた実験であっても目的とする方位角成分によって張られる部分空間に限定して状態の特定を行えることを確認した。またGouy位相の影響について理論式を導出し、実験とよく一致することを確認した。
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