研究概要 |
これまでに核融合炉用ジャイロトロンとして、周波数0.17THz、出力0.5MW、パルス幅100秒、あるいは出力0.2MW,パルス幅550秒を達成した。しかしながら学術研究や産業応用に利用するためには、多少出力が小さくなったとしても完全連続動作が必要となる。そのためにはパルス幅を制限している、ジャイロトロン内部の発熱とそれに伴うアウトガス、および不安定動作を抑制する必要があった。 本研究では、成18年度は、高周波回路、電子銃、制御方式の改良等を行った核融合用ジャイロトロンを用いて発振調整、長パルス動作実験を行い、パラメータの最適化を行った。その結果、内部のアウ'トガスの量を長パルス動作時においても1x10-8torr台の良好な真空度に維持することができ、出力0.6MW、総合効率46%、動作時間1時間(3600秒)の大電力定常動作の実証に成功した。 さらに平成19年度には、1MWの出力で800秒間の発振を55%の効率で維持させること、及び0.8MW-2000秒間の動作に成功し、大電力化、定常化、高効率化を実現した。このジャイロトロンによるこれまでの累積出力エネルギーが150GJを超え、高信頼化を同時に実現することができた。 また周波数可変化への足がかりとして、ジャイロトロン用7テスラ超伝導コイルの高速変調化も行い、0.2T/5秒のスイープ速度で変化できることを確認した。これにより高速周波数可変化への基礎固めができたと共に、今後の高周波数化、周波数可変化の研究への見通しを得た。
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