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2007 年度 実績報告書

磁気浮上状態での反磁性物質の特異な挙動の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18560044
研究機関東北大学

研究代表者

茂木 巖  東北大学, 金属材料研究所, 助教 (50210084)

研究分担者 高橋 弘紀  東北大学, 金属材料研究所, 助教 (60321981)
キーワード磁気浮上 / マイクログラビティ / 反磁性 / 磁化率 / 強磁場 / 磁気力 / 有機結晶
研究概要

反磁性物質が磁場から受ける斥力が重力とバランスするほど大きくなると,物質は浮上する.これが反磁性物質の磁気浮上である.磁気浮上は地上で実現できる擬似無重力状態であり,これを材料プロセスに応用することが望まれている.磁気浮上の特徴を活用した材料プロセスを考案するためには,磁気浮上状態における物質の挙動を十分に理解していなければならない.本年度はまず,炭酸ガスレーザー加熱の磁気浮上炉を用いて,数種類の有機ポリマーや分子性結晶の加熱溶融を試みた.多くの物質で加熱により上下動や回転運動が観察された.これは加熱による反磁性磁化率の増加と,不均一加熱による試料内の温度分布に起因しており,磁化率変化によるポテンシャルエネルギーの増大が運動エネルギーに変換された結果生じたものである.従来,反磁性磁化率の温度依存性はほとんど無視されてきたが,わずかな磁化率の違いが磁気浮上状態では大きな浮上位置の変化をもたらすことが分かった.次に,この結果を利用して,磁気浮上を利用した反磁性磁化率の精密測定法の開発を試みた.分子性有機単結晶のベンゾフェノンを磁気浮上させ,温度を上昇させながら浮上位置と印加磁場の計測を行った.この方法で磁化率の温度依存性を測定したところ,0.035%の変化量まで検出することが可能であった.これは従来の磁気天秤などの測に比べ二桁程度も高精度な結果であり,様々な反磁性物質を測定することにより,新たな反磁性の物理と化学が展開するのではないかと期待される.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Thermal behavior of diamagnetic materials in a magnetic levitation furnace2007

    • 著者名/発表者名
      K. Takahashi, I. Mogi, S. Awaji, K. Watanabe
    • 雑誌名

      Proc. of 2nd Int. Workshop on Materials Analysis and Processing in Magnetic Fields (Grenoble, 2006)

      ページ: 104-107

  • [雑誌論文] 反磁性物質の磁気浮上とその応用2007

    • 著者名/発表者名
      高橋弘紀
    • 雑誌名

      化学と工業 60

      ページ: 708-711

    • 査読あり
  • [学会発表] Sensitive measurements of diamagnetic susceptibility under magnetic levitationconditions2007

    • 著者名/発表者名
      高橋弘紀
    • 学会等名
      International Conference on Magneto-Science
    • 発表場所
      広島市
    • 年月日
      2007-11-13

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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