研究課題/領域番号 |
18560047
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 武蔵工業大学 |
研究代表者 |
鳥山 保 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (40016176)
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研究分担者 |
高木 靖雄 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (90339531)
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キーワード | PtFe合金微粒子 / 散乱X線メスバウアー分光 / 固体高分子型燃料電池 / カソード電極触媒 / 酸素還元作用 / 不規則型fcc結晶構造 / CV曲線 / アバランシェホトダイオード |
研究概要 |
本年度の研究実績: (1)有機金属を用いるポリオール法によるPtFe合金微粒子の作製を行い、XRDによる結晶構造及び粒径の測定から、作製されたPtFe合金微粒子は不規則型fcc結晶構造であり、平均粒径は3.1nmであることが確認された。 (2)また、透過型メスバウアー分光測定から、Feの化学形態・磁気的状態は常温においてアイソマーシフト+0.32mm/s、四重極分裂が0.34mm/sの超常磁性状態にあることも確認された。 (3)しかし、サイクリック・ボルタモグラム(CV曲線)測定から、この試料の触媒活性度は白金単味より弱いことが分かった。さらに、Ar+4%H_2のガス雰囲気で、約500℃で1時間アニールを行なったところ、粒径は増大したが、より活性度が弱くなった。これについては、Ghafari博士より提供された資料にあるように、PtFe合金微粒子の周囲に炭素が付着しているものと推論した。この結果は第26回水素エネルギー協会大会(平成18年12月)に発表した。 (4)また、XPSによりFeが酸化している可能性も出てきたことから、湿式でない手法よるPtFe合金微粒子の作製も検討している。 (5)改めてポリオール法によりPtFe合金微粒子の作製を行い、同様の測定を行った。XRDからは不規則fcc構造とPtが含まれていることが、メスバウアー分光では文献にはない比較的小さな内部磁場を持つ成分と超常磁性成分からなるスペクトルを示す試料が得られた。この試料はCV曲線から明らかにPt単味より数倍活性度を有している結果が得られたので、その理由を考察中。 (6)磁場印加CEMSの比例計数管をX線用Si検出器に換え、磁場印加CXMSに改造する計画であったが、X線用Si検出器では6.4keVのFeのK X-rayは観測できないことが判明し、急遽アバランシェホトダイオードとCsI(Tl)結晶の組合せに切替え、開発中である。
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