研究課題
前年に引き続いて、本研究で開発した分子動力学法とモンテカルロ法の統合シミュレーションのプログラムを用いて、電気めっきにおける抑制剤の平滑効果を解析した。溶液は硝酸銀水溶液、電極は銀とし、溶液中に抑制効果をもつ添加剤を導入した。添加剤は球状とし、その作用範囲内にある電極表面での析出は棄却されるとした。今年度は、添加剤の作用範囲と電極との相互作用をいくつかの場合に分類し、それぞれの場合について孔埋め込みのシミュレーションを行い、埋め込み性と添加剤の性質の対応を解析した。それにより、添加剤の特徴と埋め込み性への影響が系統的に理解できるようになった。現実の添加剤が、この分類のどれに入るかが分かればその添加剤を用いた実験の結果がシミュレーションにより予測できることになり、試行実験の数を大幅に減らすことが可能である。よって、本研究の成果は現実のめっき技術に大いに役立つと期待できる。また、Solid-by-Solid(SBS)モデルによるLSI銅微細配線作成の研究においては、モデルに改良を加えて、添加剤を用いた孔、溝の埋め込みができるプログラムを完成した。さらに現実の硫酸銅めっきに添加剤としてポリエチレングリコール(PEG)、ビス-3-スルホプロピルジスルファイド(SPS)、および塩化物イオンを添加した系をモデル化し、14種類の電極反応をモデルに組み込んでシミュレーションを行うプログラムを開発した。また、現実の長さスケールに対応させるため空間を阻止化して、0.1ミクロン程度の長さスケールのシミュレーションが可能となった。これらの研究により、実験と直接比較しうるシミュレーションが可能となった。
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Journal of the Korean Physical Society 54
ページ: 1207-1211
ECS Transactions-Honolulu, HI 16
ECS Transactions-Phoenix, AZ 13
ページ: 1-9