研究課題/領域番号 |
18560066
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
呂 戦鵬 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30419999)
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研究分担者 |
庄子 哲雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80091700)
竹田 陽一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40374970)
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キーワード | 材料強度 / 応力腐食割れ / 軽水炉構造材料 / き裂進展速度 / 熱活性化エネルギー |
研究概要 |
加工硬化した低炭素ステンレス鋼における純水中での応力腐食割れ(SCC)進展速度は200〜288℃の温度域で単調増加する。よって、SCC進展速度は熱活性化素過程に支配されていると考えられた。見かけの活性化エネルギーは温度域により異なり、き裂先端酸化動力学における多重化した素過程の温度依存性との関連性が示された。全ての試験片に関して、予き裂導入後のSCC進展試験において、き裂進展量が非線形に増加する期間が認められた。また、温度変化後のき裂進展量の変化に時間差が認められた。288℃から200℃に温度を下げた場合、き裂進展速度は最初、経時的に減少し、その後、一定になった。一方、200℃から250℃に温度を上昇した場合、き裂進展速度は最初、250℃における値を保持し、その後、増加した。これらき裂進展速度が変化するまでの時間差はき裂先端近傍の水環境の変化、界面酸化皮膜の成長過程、およびき裂進展速度とき裂先端水化学との相互作用を評価した。このため、熱活性化素過程に及ぼす材料の機械的性質と環境因子の影響について検討し、また、荷重を負荷した状態での温度と材料強度が見かけの活性化エネルギーに及ぼす影響を、き裂先端の酸化速度論における多重化した素過程に及ぼす温度の影響を考慮することにより解明した。
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