研究概要 |
セル構造体とは,セルの陵および面を構成する緻密固体(母材)の支柱またはセル壁を相互に結合したネットワークからなる固体である.セル構造体は多角形のセルからなる2次元構造体であるハニカム構造と多面体セルが不規則に配列されたフォーム構造に分類できる.いずれも母材とは大きく異なる性質を有する興味ある物質である.本研究は,代表的なセル構造体であるアルミニウムハニカムの動的特性を広範かつ詳細に研究し,その工学的特性を把握するとともに,更に高性能な構造体設計の指針を得ることを目的とし,2年間の研究課題としたものである. 平成18年度においては,アルミニウムハニカムの静的圧縮挙動ならびに衝撃圧縮挙動について実験的研究と数値シミュレーションを実施した.実験においては,新しく製作した圧縮実験装置,高速度ビデオカメラならびにこの経費で購入したレーザー速度計測装置等を用いた.また,解析的には,セルスケールとマクロスケールと呼ぶ2つのスケールを新しく導入し,個々のセルのひずみ変形とハニカム全体のひずみ変形との関係を詳細に調べ,多くの興味ある結果を得た.その研究成果は「平成18年度衝撃波シンポジウム(九州大学,2007年3月)」において講演発表するとともに,日本機械学科論文集(A編)に投稿した.また,関連する内容を2007年7月に開催される国際会議"26th International Symposium on Shock Waves"(Germany)において講演発表する予定である.
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