研究概要 |
薄いセル壁が一定のセル形状(例えば6角形)を保って連続的に配列されているハニカム構造体は。極めて空隙率が高い構造のために,母材とは著しく異なる力学的特性を有している。本研究では,アルミニウム合金および紙または高分子材料を母材とするハニカムを対象とし,特に面内特性に着目して実験及び数値シミュレーションによってその変形挙動,破壊挙動,振動特性など動力学的特性について詳しく研究することを目的とする。 本研究期間において,ハニカムのサイズ及びそれに含まれるセルのサイズが異なる数種のアルミニウムハニカムについて,(1)静的荷重及び飛しょう体による衝撃荷重が作用する際のセル変形挙動と局所崩壊挙動,(2)飛しょう体による衝撃荷重が作用する際の衝撃吸収特性,及び(3)定常振動における固有振動及び振動モードに関する研究を行った。(1)については,特にセル変形におけるマクロスケールひずみとセルスケールひずみの概念を提唱してひずみ速度との関連を詳しく研究した。(2)については,比較的低速の衝突時における損傷軽減を目的として,セルの局所崩壊挙動とエネルギー散逸との関係を調べた。(1)(2)いずれの場合も,ひずみゲージ,レーザー速度計,高速度カメラ等を併用して興味ある結果を得た。また,(3)では,ハニカム構造体の非線形特性の基礎として,定常加振した際の固有振動数と振動モードについて調べ,一次元連続体モデルとしての検討を加え,興味ある現象を見出したが,非線形解析については研究継続中である。
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