研究概要 |
本研究の目的は,独自に開発した低温領域を試験可能な超音波疲労試験機を用いて,広範な材料系を評価対象とできる超音波疲労試験方法を確立するとともに,内部破壊のをアコースティック・エミッション(AE)法に基づき開発することである. 平成18年度には,低温槽を装着した自作の超音波疲労試験機を用い,ステンレス鋼の超高サイクル疲労強度を評価した成果について「超音波テクノ」に投稿した.この研究では,雰囲気温度を低温に保ち,超音波疲労試験において著しい発熱を生じるステンレス鋼の超音波疲労試験を可能にし,内部破壊が発生することを確認した.また,平均応力の設定できる超音波疲労試験機の製作に着手し,ハードウエアの準備がほぼ整った.現在は制御ソフトウエアの作成を行っている. AE解析システムについては,空中超音波センサー,曲げ強化型光ファイバーセンサーおよびFBGセンサーを購入し,内部き裂が検出できるAEシステムの構築を目指して検討中である.現在のところ,疲労負荷による振動成分を効率的に除去することができず,高感度のAE計測ができていない. 超高サイクル疲労メカニズムの解明には,試験片の内部に発生したき裂の検出と進展モニターが重要なポイントとなる.以上に示したとおり,AEシステムの構築においては,き裂の検出に重点が置かれているが,き裂検出ができないのが現状である.次年度は光ファイバーセンサーの新しい光学系を検討する.
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