| 研究概要 |
従来のガラスやカーボン繊維と熱硬化性樹脂を用いた複合材料の代わりに、太陽エネルギーによって成長の絶えない持続可能な資源である天然繊維と生分解性樹脂を用いたグリーンコンポジットは、環境に優しく、カーボンニュートラルであり、地球温暖化抑制に貢献するため、世界中の注目が集まっている。本研究では、天然繊維としてケナフ繊維を、生分解性樹脂としてポリ乳酸(PLA)とポリブチレンサクシネート(PBS)を用いたグリーンコンポジットの成形手法の開発とその高温時も含めた引張り特性を評価することを目的として、実施計画に沿って研究が推進された。本研究の最終年度である2年目の研究で得られた成果を次に示す。
1) 撚り糸状ケナフ繊維束と押出機を用いた,引き抜き成形法により連続成形が可能であることを示した.
2) 撚り糸状ケナフ繊維束をPLA,PBSに複合化させることで強度・弾性率の改善が可能であることが確認できた.また高温下の引張試験結果から,高温においても,ケナフ繊維の補強効果が確認できた.
3) 引抜き成形では,撚り糸状ケナフ繊維束にテンションをかけながら成形することにより,高い引張強度と剛性が得られることを示した.
4) 高温下においてPBS/Kenaf材の方が,PLA/Kenaf材よりも高い引張り特性を示した.このことからPBSの高い耐熱性を確認できた.
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