研究概要 |
遮熱コーティング試料を大気中1100℃10,50,100,200時間で高温下に暴露し,ボンドコート層MCrAlYとZrO_2セラミック層間にAl_2O_3(TGO)を生成させた。その後、光学顕微鏡やSEMなどを用いて微視組織の変化およびセラミック層とバンドコート層の界面剥離状況を調べた。界面TGO層中の応力は、マイクロラマン分光装置を用い、Al_2O_3中に含まれるCr^<3+>からの蛍光のピークのシフト量の測定から求められた。蛍光応力顕微鏡のレーザー光源には波長514.5nmのAr+レーザーを用い、スポットサイズは直径30μmであった。熱暴露時間が長いほどTGO層の厚さが厚くなっていることが分かる。また、TGO層が増大するにつれ内部応力が増加しトップコートが剥離しやすくなると考えられる。 遮熱コーティング試験片にZrO_2球状圧子を用いた押し込み試験および疲労試験を行い、生じる界面損傷を調べた。コーティングの押し込み試験装置を用いた。押し込み試験については、圧子として直径5mmのセラミックボールを使用し、島津製作所のサーボパルサーを用いて試験を行った。負荷速度1Okg/sで最大荷重500Nから20000Nまで、それぞれ押込み試験を行った。繰返し押込み試験は、周波数0.1〜10Hzで応力比0,1、サイン波、荷重制御で行われた。押し込み試験を施した試験片の損傷をSEMより観察をした。ランプ荷重の押し込み試験による、亀裂発生の荷重は11000Nであることが確認された。繰返し荷重の押し込み試験において、最大荷重は亀裂発生荷重より小さいでも、疲労亀裂発生・伝ぱによるトップコートを剥離したことが確認された。遮熱コーティング表面及びコーティングと基材との界面に球状圧子押し込み法で人工的に大きさを制御した欠陥を導入した材料を用いて、蛍光スペクトルを測定した。
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