研究課題/領域番号 |
18560095
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研究機関 | 高知工業高等専門学校 |
研究代表者 |
陳 強 高知工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (30264451)
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研究分担者 |
橋口 原 香川大学, 工学部, 教授 (70314903)
皮籠石 紀雄 鹿児島大学, 工学部, 教授 (00117491)
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キーワード | 疲労 / ナノ・マイクロ材料 / き裂発生 / 超高サイクル / 薄膜 |
研究概要 |
前年度では、ナノ・マイクロ材料の超高サイクル疲労挙動を電子顕微鏡内でその場観察を行うため、半導体微細加工技術を駆使して薄膜の寸法を自由に変化させることができるフリースタンディング引張疲労試験システムを開発した。 今年度では、まず薄膜デバイスの構造上の問題、即ちピエゾアクチュエータにより引っ張られる薄膜と接しているバネ構造部分の著しい面外曲げを解消するため、バネ部の厚みを増やし、バネ部の面外曲げを大幅に抑えることができた。同時に、き裂伝ぱ挙動を観察しやすいため、薄膜の中央に約4μmの貫通穴を開け、予き裂の導入に成功した。また、市販の有限要素法解析ソフトAnsysを用いて引張疲労試験における薄膜中心部に生じる最大応力の有限要素解析を行い、ピエゾアクチュエータの出力と疲労デバイスの変位との関係、さらに薄膜中心部に生じる最大応力との関係について調べた。しかしながら、試験対象となる薄膜の寸法は通常の引張試験片に比べて遥かに小さいため、従来型のX線応力測定装置による応力の計測は極めて困難であったため、薄膜に働く応力を特定することには至らなかった。将来、シンクロトロン放射光微小回折計による直接検知の可能性について検討している。現在、薄膜の厚さを0.5〜3ミクロンまで変化したLP-CVDポリシリコンと単結晶シリコンの薄膜を用いて、SEM内でのその場観察疲労試験を継続中である。
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