研究概要 |
本年度の研究実績の概要は以下の通りである ・工具姿勢に関する基礎データの測定 平面状の工作物に対し、さまざまな姿勢での加工を行い、加工後の工作物について測定を行った。測定は、現有の形状測定器による形状測定のほか、工作物のひずみを測定した。 ・データの解析 工具の姿勢と加工特性の関係を解析した。測定の際は、工具の姿勢のみでなく、さまざまな板厚の場合のデータも計測し、それらを総合して解析することにより、加工の進行中の加工によって板厚と工具の適用角度が同時に変化するような状況を想定し、典型的な加工の進行状況の際の工作物の変化を予測したモデルを構築した。構築したモデルを数式化し、加工開始時点から目的形状に達するまでの進行状況をある程度予測できるようにした。最終的な形態として、工具の角度と加工特性の関係を簡易なシミュレーションで表した。 ・誤差補正のためのレンジファインダの高精度化 より高い精度と自由度を持つレンジファインダを作成した。このレンジファインダでは、使用する部品の性能を向上させ、さらにサブピクセル法と呼ばれる方法を用い、取得した画像データから、ソフトウェア的にもさらに精度を向上させた。 ・誤差のフィードバックによる加工精度の向上 把握した工具の姿勢と加工状態の関係と,レンジファインダにより得られた十分な精度の情報より、修正加工を行うソフトウェアを開発した。すなわち、加工の途中で計測をインプロセスで行い、その時点での加工形状と、本来その時点で得られるはずの形状を比較し、その差分を工具経路にフィードバックして修正し、加工をすすめた。必要に応じて逐次加工経路を修正し、要求する加工精度を得ることができた。
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