研究概要 |
本研究では,高精度マシニングセンタと超精密加工機の中間の位置決め体積を持ち,さまざまな材料の精密金型や試作部品をサブミクロンオーダの加工精度で高能率かつ柔軟に加工できる高精密加工機を実現するために,制御モデルと計測基準を内在させた.本年度の成果は以下の通りである. (1)昨年度に設計を行い,一部製作を完了した高精密加工評価用テストスタンドを完成させた.特に,Z軸の送りとして高精密ボールねじと軸受を圧電素子で駆動する高速サーボ系のデザインを行い,100Hzの応答性と数10nmの位置決め分解能を得ることができた. (2)真直度のモデル化と熱変位の測定測定基準(ミラーバーとミラープレート)と工具端に取り付けた変位センサを用いて送りの真直度の測定を行い,その結果をフーリエ変換することで真直度のモデルを同定する運動誤差学習アルゴリズムを構築した.同じ測定システムを用いて,加工機の熱変位を測定し,通常温度環境での熱変位を予想できるようにした. (3)高精密加工実験 真直度モデルを用いたXY-Z同期制御システム構築し,計測・学習・補正アルゴリズムを実証するための高精密加工実験を行った.ダイヤモンドバイトを用いたアルミの高速平面加工を行い,加工プロファイルを触針式粗さ計で測定した結果,真直度が0.4μmまで改善できることがわかった.同時に,加工機の振動が加工面に転写されることも確認できた.
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