研究課題/領域番号 |
18560104
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
打越 純一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90273581)
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研究分担者 |
森田 瑞穂 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50157905)
有馬 健太 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (10324807)
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キーワード | 形状創成 / 固相反応 / シリコン / フッ素化剤 / エッチング / 界面 / 近赤外光 / 干渉計 |
研究概要 |
本研究は、シンクロトロン放射光用ミラーや半導体基板などに用いられる単結晶シリコンの形状創成加工を、シリコン表面にフッ素化剤を塗布した後、光を照射して固相反応でエッチングを行うことにより実現しようとするものである。固相反応で加工することができれば、目的形状に創成加工を行なった後、シリコンが透明な波長1310nmの近赤外干渉計で形状計測を行いながら加工できるので容易に形状修正加工が行え、高精度な創成加工を行なうことができる。以下に本年度の研究実績の概要を示す。(1)加工前のシリコン表面を超清浄洗浄し、フッ素化剤の塗布を容易にするため、ウルトラクリーンルーム内のクリーンドラフトチャンバーでトータル室温洗浄プロセスを行った。(2)フッ素化剤を溶媒に溶解し、シリコン表面にフッ素化剤膜を塗布して洗浄条件と塗布特性、溶解度と塗布特性の関係を明らかにした。(3)フッ素化剤薄膜を塗布したシリコン表面に光を照射し、フッ素化剤の固相反応によりシリコン表面の加工を行えることを明らかにした。(4)塗布したフッ素化剤を核磁気共鳴分光法(NMR)で分析し、光を照射しても大部分は分解しないことを確かめた。(5)フッ素化剤を剥離し、位相シフト干渉顕微鏡を用いて加工痕形状を観察した。(6)紫外から可視の各波長域の光を照射し加工の波長依存性を明らかにした。(7)加工痕深さの光照射時間依存性を明らかにした。(8)形状計測を行う近赤外干渉計の測定再現性を連続する2回の測定値の差で評価し、最大値(PV値)で3.2nm以下、二乗平均平方根値(RMS値)で0.55nm以下であることを確かめた。(9)近赤外光トポグラフィと近赤外顕微鏡を用いてシリコンウエハ表面から内部の貼り合わせ界面の酸化膜の微細形状を観察できることを明らかにした。
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