研究概要 |
本研究では,軸圧縮応力と繰返しねじり負荷の組合せによるメカニカル・ラチェット現象を利用して中空軸材の中間部にボスあるいはベローズを成形させる新しい冷間塑性加工法を開発した.本加工法に対し,加工機構を科学的に解明して工学的に理論体系化された工業技術に発展させることを目的とし,基礎研究および加工機の開発を着実に進めている.科学研究費交付期間(H18-H20)の最終年度である平成20年度では,平成18年度および平成19年度に得られた実験および解析結果を成形加工過程ヘフィードバックし,成形加工プロセスにおける最適な制御方法を提案し,当該成形加工技術法を確立した.具体的な研究成果を下記のようにまとめる. 1.ねじり回転部やチャック部などの改良により,加工精度および加工効率を一層向上させた. 2.有限要素法解析で求めた適切な加工条件の範囲において,成形加工実験を行い,本解析手法の妥当性・有効性を実験的に検証した. 3.前年度の解析を引き続き,圧縮軸力と繰返しねじり負荷との組み合わせによるメカニカル・ラチェット変形を考慮した弾塑性構成式を改良し,解析精度および解析効率の向上を図った. 4.今まで得られた実験・解析結果を成形加工過程ヘフィードバックし,成形加工プロセスにおける最適な制御方法を提案し,当該成形加工技術法を確立した.
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